走ることが大好きな方のためのお店。インプレッサWRX、BMW Mモデルのチューニング&メンテナンスが主業務。ラリードライバー小西重幸主宰。ラリー参戦やサーキットの走行サポートおよびそれら競技車両の製作を行う。オリジナルサスペンションの開発・販売事業あり。特に特注セッティングのサスペンションを得意とする。エンジン部門ではスバルWRX用のEJ20エンジンのオーバーホールを得意とし、純正再現をコンセプトとしたリビルトエンジンを販売する。
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弊社ではこれまで話してきたようなコンセプトでサスペンションキットをご用意しています。

まず主流のベーシックモデルですが、一言で表現するなら
“走りをコンセプトとした必要十分なもの”
というところです。

 もうすこし詳しく説明すると、コンセプトとしては前回にお話したような『Sタイヤでガンガン走るという仕様ではなく、スポーツラジアルで峠からサーキットまでハイパワーなBMWで“気持ちよく攻めきる”ことをイメージ』したものです。そのために選んだスプリングレートは通常のストリートよりも少々硬めかもしれません。ただし、重量がありタイパフォーマンスキャパのあるBMWですので、“走り”をコンセプトとすれば、それほど硬すぎるものでもありません。また、たとえばリアについてはどのモデルも“レバー比”というものがありますのでたとえばスプリングレート数値の7割ほどが換算レートだとすれば10キロでも実際には7キロ程度のパフォーマンスと同じということです(モデルによってこの割合は違います)。ちbなみに高めのレートになると必然的に車高も30ミリ前後(モデルのもよりますが)は落とすようになります。ケース長やショックストロークもそれにあわせたディメンジョンになっています。

さて、減衰力の仕様についてちょっと説明してみます。

 まず簡単に表現すれば、基本キットにセットアップしたスプリングレートは少々硬めですので、その分減衰力については少々マイルドになるようなイメージでチューニングしています。ジムカーナ用やレース専用などの完全競技用を知っている方だと、「ちょっと初期レスポンスががダルいな」と思うかもしれません。しかしながらこのセットアップがラリーターマック系の特徴かもしれません。

 初期レスポンスが鈍い分、コーナリングアプローチではナチュラルなターンインを、そして曲がり始めてロールをして外荷重になっている時にもステアリングを切り足したり、アクセルをあけてターンインをコントロールしたりというコーナリング中の自由度のあるハンドリングが実現できます。と同時に、荒れた路面でもナチュラルな挙動をしめしますし、ストリートでのフラットな乗り心地にもつながってきます。

 減衰力は約30段(モノにより20段)の調整がついています。ある程度おいしいセットアップというのは、クルマやタイヤの仕様や走りのスタイルで決まってきますので、お気に入りのところが見つかってしまえばそれほど頻繁に調整することも無いかもしれませんが、それでも走りのステージによってハンドリングを変えることが出来るので必ずや重宝します。オイルが熱ダレをして減衰力が低くなった時の補正にも使えます。

さて、ここでクオリティをからめた構成部品の話をすこししてみます。

 弊社基本キットで使用している各部部品は決して高い部品を使っているわけではありませんが、品質が安定しててテスト実績が良好なものをこれまでチョイスしてきています。そしてそれをデモカーにて走行テストを時には“過激に”繰り返していることもお伝えしたいことの一つです。
 サーキットは路面もよく繰り返しストローク量も小さいために油温の上がり方もオイルシールにかかる最大内圧も“ラリーターマック”に比較するとそれほど過酷な条件ではありません。したがって、オイルシールを含めた内部部品そしてアウター部品のブラケットに至るまで過酷な使用に耐えられるのか、また耐えられるとすればどれくらいまでが限界なのかまでの多くのクオリティを把握するには“ラリーターマック”の環境は重要かつ最適といえます。車種ごとに各部のディメンジョンやセッティングはちがうものの機能部品(ピストンロッド材料、ピストン、オイル、オイルシールなど)は基本的に共通部品。ですので実戦経験豊富なテストドライバー&弊社の何台かのデモカーでテストをすればクオリティに関してはかなりの部分で把握することが出来るのというわけです。

 さて、このようなテストも含めた過程から出来上がっている製品ではあるのですが、実はショックアブソーバーというものはそれでもなお非常に繊細な1面もあります。それはオイルシールです。前述のような耐久テストをして良好となれば、設計も構成部品のクオリティ選定としても間違ってはいないということになるのですが、ある程度数を販売をしているとなかにはオイルシールトラブルを早期に発生してしまうものもゼロとはいえません(統計的には1~2%ぐらい)。これはピストンロットのミクロン単位の傷と組立工程でのオイルシールのわずかな傷(もちろんシール工場の稀な製品不良も含まれます)などによって、何度もストロークしていくうちにわずかながらオイルにじみが発生していくようなケースです。これについては、ご存知のとおり大手も含めどのメーカでもゼロというわけではなく、工業製品である以上ゼロにはしにくい繊細な部分でもあることをご理解いただけるとうれしいです。

 以上の背景を踏まえていただいたうえで、もし万が一そのようなトラブルが早期に出てしまった場合にはもちろん無償にて修理または交換をさせていただく段取りを準備しておりますのでご安心ください。これはアッパーマウントなどのほかの構成部品についても同じです。(もちろん弊社としてもゼロを目指して日々改善には努力したいと思っております)

そして、最後にスプリングについての話です。

 基本キットにセットされるスプリングはそれほど高い材料を使っていません。従いまして昨今の競技仕様でポピュラーな硬い材料のスプリングと違い、同じレートでも太い材料をつかった設計になっています。それゆえ、基本キットという考え方で手ごろな価格を実現出来ておりますし、また同時にストリートでの絶妙なフラットライドをつくっているとこもあります。しかしながら、もしより突っ込んでセットアップされる方であれば他社のいわゆる“レーシングスプリング”とのセットを作るのももちろん大いにアリです。(スプリングレスまたはレーシングスプリングセットの販売もしています)

以上、“安定かつ必要十分な安心クオリティ”を目指した弊社商品のついての話でした。

次回は弊社サスペンションキットの取付についてのお話をしたいと思います。

~続編へ続く

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