昨年、A/m/sにはとんでもないマシンが入ってくるようになりました。
かつてのブログにも登場したあのVIPER-GTSです。
このノーマルでもこのVIPERのジェネレーション2はトンでもなく迫力のある存在感ですが、このVIPERに昨年夏に対面したときは正直圧倒されました。ノーマルで8リッターエンジン。それにツインターボ武装です。タイヤは20インチ。こんなマシンをさわれるのか!?
さて、そんな微妙な緊張感で始まったVIPER改造計画。
第一弾はMOTECによるエンジン制御でした。安全十分なパワーと日常の使い勝手の向上。このコンセプトがまず最初のステップ。パワーをだせばだすほど、いろいろなモノがシビアになるのがこのエンジンチューニング。A/m/sとしても1000馬力オーバーは未知の世界。まずは800馬力ぐらいで終了したのが今年の1月でした。
さて、そんなHIPER・VIPER改造計画第2弾は、“溶接ロールケージ”
そうなんです。このマシンはスペックだけ見たってちょっと危険な香り!?のするマシンなのに、実はボディ外装はすべてFRPなんです。つまり、フレームの上にFRPボディが載っているだけ・・
このBIGなエンジンとトラックのような駆動系、そしてこのタイヤ・・
そこからくる迫力があるからこそ、このボディ構造の事実を知ると複雑な気持です。
いちおうクラッシックカーではないので、エアバックはついているんですが、「そういう問題?」という疑問もうけつけないこの迫力はアメ車の偉大さを感じます。
溶接ロールケージはA/m/sでも得意作業。かつて多くのラリーカーを製作してきましたので。
ですから、その安全性と操縦性の飛躍的向上はよく知っています。
だからこそ、このマシンにも最高のアイテムだと思っています。
しかし・・・・
このクルマは 構造がいままでのクルマとはまったく違います。
アルミボディで苦労したNSXの話しも聞きましたが、それとも違う次元ですから。
とはいっても、ロールケージを入れることの原点にたちかえり進めるとします。
まずは、バラすところから。この作業は何度となくやってきたことのある作業。
ただし、このクルマはより神経を使います。
そのバラした写真がこれ。
どのクルマでもそうですが、この状態の姿って、オーナーには衝撃的過ぎてお見せしたくはない光景です。ちゃんと元どうりにはなるんですが、あまりにショッキングすぎます。
この状態にしてボディの状況をよく把握します。
さて、FRPボディといっても、フレームはもちろんあります。そしてキャビンには船底のように鉄のフレームが取り巻いています。ここにまずはロールケージの接合部となる“足場”を作るところから始まります。
そして、そこからボディになるべく沿わせるようにケージを曲げます。
写真はAピラー付近です。今回のクルマはドアやウィンドウが小さいので乗降性や視界も特に注意が必要です。
さて、次はリアセクション。
ここが問題。初体験ゾーンです。
なんせ、リア周りはすべてFRP。簡単にいうなら、FRPボートの中みたいなものです。鉄部分は一切ありません。仕方がないので、ここぞ!という場所のFRPを切り開いてフレームを見つけます。そこに補強のあて板をしてパイプを落とすわけです。この作業はなんとなく“ワカサギ釣りの氷の穴あけ”も連想させます。
ところで、これら作業で問題となるのが外したモノをどこに置くかという問題です。
昨年末は軽自動車1台分もある巨大なボンネットフードでした。今回は巨大なウィングとたくさんの内装部品。
巨大なタイヤホイールはせっかくなので展示させてもらいました。
というかそうでもしなければ置き場所が足りません・・・。
できることなら・・広いワークショップに移りたい・・。
<つづく>
[2回]